代々木能舞台で能 「藤戸」と狂言 「清水」を拝見して参りました。
2016/05/22
初台駅から歩いてすぐ。 新国立劇場やオペラシティーを脇に見ながらビルの街を歩いて行くと
急に 非常に趣のある、お屋敷が現れます。
本当に代々から続く名家のお屋敷。あーーお能の師匠のオタクよね〜って きりりと背筋が伸びそうな代々木能舞台。
昔は こうやってお屋敷の中に能舞台があるのって結構普通だったのよ〜と聞きますが、 この都会の真ん中にあるのって本当にすんごい事と思います。
こちらで5月20日 代々木果迢会さんのお舞台を拝見させていただきました。
ここのお舞台 2度目です。
半分お外なのです!!! 脇正面がすっぽりお屋根がなく、お庭になっています!!そしてその分中正面が広い感じ。。
ここのお舞台とても好きなんです。
今回は18:30からでしたので着いた頃はまだ明るくて、最初のお能 藤戸のワキ方が出てくるところはまだまだお空が白いのです!!
気づいた頃には徐々に暗くなり、間狂言のあたりでは完全漆喰の空。
この 趣がなんとも言えずに、お舞台を照らす色が徐々に変化し不思議な 色気すら感じる美しさ。
こんなところで演奏できたらすごいだろうなーーと思ってみたり。
能「藤戸」素敵でした。前シテのオモテの悲しみどん底な顔。。。。シオル型と組み合わさるとそれはそれはゾクゾクするオブジェのようでした。
源平合戦で 当事者じゃないのに 息子が殺され海に沈められたから 自分も同じやり方で殺してくれ と訴える母親。
そういえば先日は隅田川を拝見したんでした!!!
どちらも息子を失う母の気持ち。母であるワタシには恐ろしいほど伝わります。
藤戸の後シテは母親の亡霊ではなく 息子の亡霊でしたが、前シテと後シテが違う人っていう事もあるのですね。 で お母さんはどうなっちゃったの?という一緒に行った息子の感想。。。
どうなったんでしょう?ワタシもわからぬまま。。。ちゃんと言葉の全てがわからず悔しい思いを、、、。
広忠さんの鋭い大鼓 にまたまた激しい気合をいただき、とってもとっても力をいただき藤戸おしまい。
休憩ナシでそのままお狂言「清水」
おなじ和泉流の万作先生のお家の清水は拝見させていただいた事はありますが、今回は野村萬先生が太郎冠者。
ものすごく洗練されたお舞台でした。
本物の芸能だわーとおもいます。
芸に携わる人はヤッパリ絶対絶対見るべき!!! と思います。
一緒に行ったうちの子、キチンと2時間お正座していました。 ヘラヘラしたらどうなるか?言わなくても伝わる雰囲気の中でホンモノの芸術に触れる事ってとっても大切かもですね。。